フルマラソン未経験でも、
サハラは走れるのか。
答えはYES。フルマラソン未経験でも、サハラ到達者は毎年いる。 サハラで試されているのは、スピードではなく「持続する心と、足の皮膚」。 このページはその両方を鍛えるための準備指針だ。
サハラは「走らなくていい」レース。
走れる人はとにかく走る。走らない人は歩けばいい。タイム制限は緩い。 最後尾にラクダがいて、そいつより早くゴールすれば完走。 目指すべきは速さではなく、「7日間、動き続ける」体と心だ。
ジムに通ってダイエットするより、サハラにエントリーしてしまう方が早い。 「やばい!」って思って、色々やるようになる。 これは冗談半分、本気半分のアドバイス。
1年の現実的なトレーニング計画
ここでは「ランナー経験ゼロ〜市民ランナーレベル」を想定。 本気でタイムを狙う人はコーチについたほうがいいが、 「完走を目指す人」には下記が現実的な1年の設計図になる。
まず決める。エントリー締め切りは5月頃。決めないと何も始まらない。
- 週3回・30〜60分のジョグ&ウォーク
- 階段昇降・スクワットで下半身を目覚めさせる
- 体重管理スタート(重い体で走るほど足に負担)
- シューズを選び、ならし運転を始める
日本の猛暑日は最高のサハラ練習日。 汗をかきまくる経験を積むことで、本番でのパフォーマンスが段違いに変わる。
- 夏日・真夏日の日中、30分〜1時間の歩き/ゆっくり走
- 長袖長ズボンで体温を意図的に上げる練習
- サウナ通いで発汗機能を育てる
- 水分&塩分補給のリズムを身体に覚え込ませる
長時間・長距離を身体に慣らす。スピードは二の次。 「足の皮膚」が耐えられるかがすべて。
- 休日に20〜30kmの長距離ウォーク/ジョグ
- ザックに5〜8kgを入れて背負う練習
- 山登り・低山ハイクでアップダウンに慣れる
- 水膨れができやすい箇所を確認&テープ試行
サハラは連日動くレース。 1日頑張って走れても、翌日また動けるかどうかが本質。
- 連続2日・20km×2日などの連日走
- 本番想定ザック(8〜10kg)を背負って練習
- 本番食料・ジェルの試食(合わないものを見つける)
- 医療書類(心電図・診断書)を準備
距離は落として回復優先。本番2週間前は疲れを抜く。 荷物チェック、装備の最終確認、忘れ物リストを何度も見返す。
- 週2〜3回のランを軽く維持
- 装備総重量の計測(7日分食料+水+全装備)
- 歯ブラシ・シャンプーなど「細かい忘れ物」リスト化
- 家族・仕事への根回し(2週間の留守)
ここまで来たら、もう準備はできている。スタートラインに立つだけ。
- 初日は抑える。距離感を誤解しないように
- 2日目以降は水膨れケアを朝晩やる
- 3日目「辞めたい日」は、休憩して水と飴で抜ける
- Long Stage は前半抑えて、CP4以降で判断
2026年、確実に体力は上がった。
オーバーナイトラン当日、去年「坂で滑って辞めた」あの急斜面を目の前にして登った。 全然余裕だった。「自分の体力は確実に上がったんだな」と安心した。 結果的にCP4で辞めたけれど、去年より20km先まで進めた。
トレーニングは、裏切らない。 やった分は、サハラのどこかで絶対に返ってくる。
心の準備という、最後のピース
体力は準備できる。装備も揃う。でも本番、3日目あたりで必ず「辞めたい」が来る。 これは心が弱いからではない。ほぼ全員来る。
「もう頑張ったし、いいんじゃない?」 「完走はしたいけど、できなくても大したことはない」──そんな声が必ず聞こえてくる。 神様と悪魔が戦う漫画の世界だ。
準備として有効なのは:
- 「なぜ行くのか」を紙に書いておく。リュックに忍ばせる
- 家族・仲間から送られたメッセージをスマホにまとめておく
- ライバル/自分自身への「昨年の記録」を具体的に持っておく
- 「完走しなくても良い」と決めておく(逆説的に進める)
▶ 一つの軸の作り方
「辞める時は、完走した時/大会の課題を達成した時」── あらかじめ"終了条件"を明確に決めておくことで、レース中の揺らぎを封じやすくなる。 多くの完走者がこの手法を使っている。