砂漠に着いた夜は、
全力で遊ぶ。
レースはまだ始まっていない。やることもない。興奮だけがある。 だから──ステーキを焼いて、酒を飲んで、キャンドルを灯す。 250キロに挑む前の、贅沢な一夜。
砂漠に着いた日に起きること
ワルザザードからバスで約6時間。砂漠に到着した日は、実は何もない。 公式スケジュールは翌日から。この「空白の夜」をどう使うかが、旅の質を決める。
| 時間帯 | 何が起きるか |
|---|---|
| 午前〜午後 | ワルザザードからバスで出発。約6時間の移動。 |
| 夕方ごろ | 砂漠のビバークに到着。テントに荷物を置く。 |
| 到着日の夜 | 特に何もない。自由時間。 |
| 翌日(前日) | キャリーバッグの預け入れ、ゼッケン受取、メディカルチェック。 |
| 前日夜 | 前夜祭。皆んな明日に備えて早々に就寝。 |
| レース初日 | Stage 1 スタート。 |
▶ つまり「到着日の夜」は完全フリーだ
前夜祭は翌日。メディカルチェックも翌日。到着日の夜は公式には何もない。 興奮しているし、眠れないし、何もすることがない。 だったら全力で楽しむしかない。
ワルザザードで仕込む
砂漠に入る前の最後の街、ワルザザード。 ここに大きなスーパーマーケットがある。 お酒も売っている。お肉も売っている。氷も、保冷パックも。
🍺 お酒は19:00までに買う
モロッコはイスラム国だが、ワルザザードのスーパーにはお酒が売っている。 ただし19:00にはアルコールコーナーだけ閉まる。 午前中のうちに買っておくのが鉄則。ビール、ワイン、ウイスキー。なんでもある。
🥩 ステーキも買える
普通にお肉も売っている。ステーキ用の牛肉も問題なく手に入る。 保冷パックと氷もスーパーで売っているので、 バスで6時間揺られても肉は保つ。 砂漠でステーキ、余裕でいける。
🕯️ ローソクも売ってる
2026年は現地でローソクを大量購入。テントの周りに並べて キャンドルライトの演出をした。砂漠の夜に灯るキャンドルは、 想像以上に美しい。ホームセンター感覚で探してみて。
🔥 固形燃料は日本から
BBQの燃料となる固形燃料は日本から持参する。 本来は飛行機への持ち込みは推奨されないが、 少量であれば問題なく通過できることが多い。 自己責任で、でも持っていく価値はある。
実際のステーキ。これで約2,000円。
BBQグリルも売ってる。フライパンも何でもある。
飲み物コーナーも充実。ジュースから水まで。
これは、最後の晩餐だ。
レースが始まると、食事は変わる。軽くて高カロリーなフリーズドライ、エネルギーゼリー、 塩タブレット。「美味しい」より「走れる」が優先される日々が続く。 飲み物で栄養を取ることもある。味わうための食事ではなく、 身体を動かすための燃料としての食事。
だからこそ、この夜は特別だ。砂漠で食ったら美味いだろうな〜と 日本から持ってきたものを全部出す。缶詰、乾き物、好きなおつまみ。 ワルザザードで買ったステーキを焼く。お酒を開ける。 純粋に「美味しい」と思えるものを、思う存分食べる最後の夜。
「明日からは燃料を食う。
今夜だけは、飯を食う。」
砂漠でBBQをやる
テントの周りにローソクを灯して、固形燃料でステーキを焼いて、ワルザザードで買ったお酒を開ける。満天の星空の下で、250キロに挑む仲間と乾杯する。
日本から持ってきた缶詰も並べる。贅沢なつまみになる。どうせ全部捨てて砂漠に入るのだから、惜しまず使う。重さを軽くするためにも、この夜に全力で消費する。
2026年はキャンドルライトのBBQになった。テント周りにローソクを並べてライトアップ。砂漠の夜風に揺れる炎が、最高の雰囲気を作った。
▶ 最終的には全部捨てる
BBQの道具も、お酒の残りも、缶詰の容器も、全部砂漠に置いていくことになる。 贅沢な遊びだ。でも、これからレースに挑む自分たちだからこそ許される贅沢だと思う。
砂漠に並べたキャンドル。2026年の演出。
焚き火を囲む仲間たち。砂漠の夜は早く冷える。
「砂漠で食ったら絶対美味い」を持っていく
これがこの夜の醍醐味。日本を出る前から「砂漠で食べるもの」として仕込んでおく。 レース中は口にできないものばかりだから、選ぶだけでテンションが上がる。
🥫 缶詰系
焼き鳥缶、サバ缶、ホタテ缶、牛肉大和煮。 重いけどこの夜で全部消費するから問題なし。 スプーンさえあればそのまま食べられる手軽さも魅力。
🍜 乾き物・即席系
カップラーメン、チーズ鱈、柿の種、ナッツ。 砂漠のお湯でラーメンを作るのは格別。 「なぜここでこれを食べているのか」という非日常感が最高。
🍫 お菓子・スイーツ
チョコレート、グミ、干し梅。 レース中は補給食として食べるものも、この夜は「好きだから食べる」。 そのちょっとした違いが、この夜を特別にする。
🍶 お酒のあて
ビーフジャーキー、するめ、チーズ入りの何か。 ワルザザードで買ったお酒に合わせて日本から選んでくる。 仲間と分け合うことも考えて、少し多めに。
🥩 現地調達のメイン
ワルザザードのスーパーで買うステーキが主役。 固形燃料で焼くだけ。塩胡椒は日本から持参。 砂漠の夜風の中で食べる焼きたてのステーキは、一生忘れない味になる。
🍵 締めの一杯
緑茶のティーバッグ、インスタントみそ汁。 BBQの締めに飲む日本のお茶の美味さは異常。 明日から始まる「燃料生活」への静かな覚悟も、ここで決まる。
この夜を楽しむには、事前に仲良くなっておく必要がある
砂漠に着いた日のBBQは、知らない人とはできない。 ワルザザードのスーパーで一緒に買い物をして、 バスの中で隣に座って、笑いながら移動してきた仲間がいてこそ成立する。
だから事前交流が必要だ。日本を出る前から繋がっておく。 SNSでもいい、オフ会でもいい。顔を知っている人間が多いほど、この夜は豊かになる。
250キロを走り切った後の達成感は、一人でも得られる。 でも砂漠の夜に笑いながら乾杯する喜びは、仲間がいないと絶対に味わえない。
到着日BBQの持ち物リスト
🇯🇵 日本から持参するもの
- 固形燃料(複数個)
- 小型の五徳やコンロ台
- 缶詰各種(焼き鳥・サバ・牛肉系)
- 乾き物・お菓子・お気に入りのおつまみ
- 緑茶ティーバッグ・インスタントみそ汁
- 塩胡椒(ステーキ用)
- 割り箸・紙皿・紙コップ
- ジップロック(食材保存用)
🇲🇦 ワルザザードで買うもの
- お酒(19:00前に必ず)
- ステーキ用の牛肉
- 保冷パック+氷
- ローソク(テント演出用)
- つまみになるもの何でも
⚠️ 注意事項
固形燃料の飛行機持ち込みは自己判断で。お酒はテント内での飲酒なので節度を持って。 翌々日にはレースが始まることを忘れずに。飲みすぎ厳禁。楽しむための一夜であって、 つぶれるための夜ではない。
「砂漠に着いた夜は、
何もしない日だ。
だから全力でやった。」
── Yoshio