一緒にサハラへ行く 先輩の知恵
砂丘を駆け下りるランナー
05 · Training

フルマラソン未経験でも、
サハラは走れるのか。

答えはYES。フルマラソン未経験でも、サハラ到達者は毎年いる。 サハラで試されているのは、スピードではなく「持続する心と、足の皮膚」。 このページはその両方を鍛えるための準備指針だ。

The truth

サハラは「走らなくていい」レース。

走れる人はとにかく走る。走らない人は歩けばいい。タイム制限は緩い。 最後尾にラクダがいて、そいつより早くゴールすれば完走。 目指すべきは速さではなく、「7日間、動き続ける」体と心だ。

エントリーしないとできない人は多い。 だからまず、申し込む。

ジムに通ってダイエットするより、サハラにエントリーしてしまう方が早い。 「やばい!」って思って、色々やるようになる。 これは冗談半分、本気半分のアドバイス。

Year plan

1年の現実的なトレーニング計画

ここでは「ランナー経験ゼロ〜市民ランナーレベル」を想定。 本気でタイムを狙う人はコーチについたほうがいいが、 「完走を目指す人」には下記が現実的な1年の設計図になる。

Phase 1 · 4〜6月
決断&基礎体力期

まず決める。エントリー締め切りは5月頃。決めないと何も始まらない。

  • 週3回・30〜60分のジョグ&ウォーク
  • 階段昇降・スクワットで下半身を目覚めさせる
  • 体重管理スタート(重い体で走るほど足に負担)
  • シューズを選び、ならし運転を始める
Phase 2 · 7〜9月
暑熱順化期(最重要)

日本の猛暑日は最高のサハラ練習日。 汗をかきまくる経験を積むことで、本番でのパフォーマンスが段違いに変わる。

  • 夏日・真夏日の日中、30分〜1時間の歩き/ゆっくり走
  • 長袖長ズボンで体温を意図的に上げる練習
  • サウナ通いで発汗機能を育てる
  • 水分&塩分補給のリズムを身体に覚え込ませる
Phase 3 · 10〜12月
距離を伸ばす期

長時間・長距離を身体に慣らす。スピードは二の次。 「足の皮膚」が耐えられるかがすべて。

  • 休日に20〜30kmの長距離ウォーク/ジョグ
  • ザックに5〜8kgを入れて背負う練習
  • 山登り・低山ハイクでアップダウンに慣れる
  • 水膨れができやすい箇所を確認&テープ試行
Phase 4 · 1〜2月
連日走・ザック慣れ期

サハラは連日動くレース。 1日頑張って走れても、翌日また動けるかどうかが本質。

  • 連続2日・20km×2日などの連日走
  • 本番想定ザック(8〜10kg)を背負って練習
  • 本番食料・ジェルの試食(合わないものを見つける)
  • 医療書類(心電図・診断書)を準備
Phase 5 · 3月
最終調整&心の準備

距離は落として回復優先。本番2週間前は疲れを抜く。 荷物チェック、装備の最終確認、忘れ物リストを何度も見返す。

  • 週2〜3回のランを軽く維持
  • 装備総重量の計測(7日分食料+水+全装備)
  • 歯ブラシ・シャンプーなど「細かい忘れ物」リスト化
  • 家族・仕事への根回し(2週間の留守)
Phase 6 · 本番
ひたすら、身体に任せる

ここまで来たら、もう準備はできている。スタートラインに立つだけ

  • 初日は抑える。距離感を誤解しないように
  • 2日目以降は水膨れケアを朝晩やる
  • 3日目「辞めたい日」は、休憩して水と飴で抜ける
  • Long Stage は前半抑えて、CP4以降で判断
2026 result

2026年、確実に体力は上がった。

オーバーナイトラン当日、去年「坂で滑って辞めた」あの急斜面を目の前にして登った。 全然余裕だった。「自分の体力は確実に上がったんだな」と安心した。 結果的にCP4で辞めたけれど、去年より20km先まで進めた。

トレーニングは、裏切らない。 やった分は、サハラのどこかで絶対に返ってくる。

人は、下半身からダメになる。歩けなくなると行動範囲が狭くなる。サハラ準備そのものが、 健康寿命を伸ばしてくれる。
Mental

心の準備という、最後のピース

体力は準備できる。装備も揃う。でも本番、3日目あたりで必ず「辞めたい」が来る。 これは心が弱いからではない。ほぼ全員来る。

「もう頑張ったし、いいんじゃない?」 「完走はしたいけど、できなくても大したことはない」──そんな声が必ず聞こえてくる。 神様と悪魔が戦う漫画の世界だ。

準備として有効なのは:

  • なぜ行くのか」を紙に書いておく。リュックに忍ばせる
  • 家族・仲間から送られたメッセージをスマホにまとめておく
  • ライバル/自分自身への「昨年の記録」を具体的に持っておく
  • 「完走しなくても良い」と決めておく(逆説的に進める)

▶ 一つの軸の作り方

「辞める時は、完走した時/大会の課題を達成した時」── あらかじめ"終了条件"を明確に決めておくことで、レース中の揺らぎを封じやすくなる。 多くの完走者がこの手法を使っている。

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