一緒にサハラへ行く 先輩の知恵
ベルベルテントと満天の星
02 · Why I Run

「やる意味」と、
出会いの物語。

マラソンなんて大嫌いだった、フルマラソンすら走ったことがない—— そんな人が、なぜサハラへ行くのか。 この物語は、ある夜のたった一回の「会話」から始まった。

Philosophy

サハラへ続く、4つの言葉。

ウチに秘めている言葉ではなく、「言いまくっている言葉」。 だからこそ、色んなところへ誘われる。断れないのも当たり前。 「やれ」と言っている相手は、他ならぬ自分自身なのだから。

01

明日やろうは馬鹿野郎

やりたい事は、やれる時にやる。「明日」という日は、思ってる以上に来ない。

02

仕事も遊びも一所懸命

どっちかを手を抜くのではなく、両方に本気で向き合う。それが生きる、ということ。

03

やったことない事、やってみよう

知らない世界は、怖い。でも、そこにしかない景色がある。

04

やりもしないで「無理」って言うな

やってから判断しよう。一度もやらずに「無理」と言うのは、人生に対して失礼だ。

Motivations

挑戦者は、なぜサハラを選ぶのか。

サハラに挑戦してきた日本人ランナーの公開記事・インタビューを読むと、 出場を決めた動機はいくつかのパターンに分かれる。どれも正しい。 あなたの動機が、どれかに近いかもしれない。

A

「歩いてもいい」と知った瞬間

タイム制限はあるが、歩いても参加できる。 「走らなくていいなら自分にもできるかも」——これが最多の入口。 フルマラソン未経験から挑戦する人も毎年いる。

B

お金と時間の使い方を問い直した

「働いてお金を貯めるだけの人生でいいのか」「若いうちにしか使えない1週間」—— 稼ぐのが上手い人ほど使うのが下手、という気づきが背中を押す。

C

誰かに誘われた・巻き込まれた

親しい人の「行こう」の一言で決断する人が多い。 1人だと怖いが、仲間と行けば怖さが半分になる。 かつて日本人MDSコミュニティ「Sandonnée」がこの入口として機能していたが、 2025年で運営終了。現在は各ランナー個人のSNS経由でつながる流れになっている。

D

「変なやつらに会える」

地守亮さんが語る動機。「3週間の休みが取れて、100万円使って、 とりあえずやってみようっていう変な人たちに会えるのが楽しい」。 人生観が更新される"場"への期待。

E

人生を変えたい・区切りをつけたい

癌を経験した後、退職、還暦、定年、子育て終了など、 人生の節目に「自分への試練」として選ぶ人が多い。 完走した人の多くが「人生観が変わった」と口を揃える。

F

書籍や動画で"熱"を受け取った

牟田口玲奈『サハラ砂漠に通う』、Number Web・集英社オンライン等の記事、 MDS公式YouTube、富士企画シリーズ——他人の挑戦記録が、 いつしか自分の挑戦に変わっていく。

With others

1人で行くか、仲間と行くか。

どちらも正解だ。ただ仲間と行く場合のメリットは大きい。 サハラは8人1テントが基本。同じテントの仲間は、ビバーク中ずっと一緒に過ごす"家族"になる。 日本から集団で参加すれば、初日の夜から心強い仲間ができる。

01

練習も一緒にできる

出発までの1年間、荷物選びや長距離練習を共有できる。迷ったときに相談できる相手がいる。

02

テント生活が楽しくなる

日本語が話せる仲間がいる安心感。辛い夜に冗談を言える相手がいるだけで、心の消耗が減る。

03

帰国後のつながり

一緒に完走した仲間は、人生の特別な関係になる。報告会・次年度の挑戦・サポーターへと発展する。

Facebook「サンドネ(Sandonnée)」は、 長年、日本人参加者同士が自然につながる公式コミュニティとして機能していたが、 2025年をもって運営を終了。過去の投稿はアーカイブとして閲覧できる。 今後は各ランナーの個別SNS、富士企画YouTubeの情報発信、大会現地での合流が、 仲間と出会う主な場になっていく。

On money & time

お金にも、寿命がある。

お金を稼ぐのが上手い人ほど、使うのが下手だ。 仮に余命1か月って宣告されたら、みんな仕事を辞めると思う。 永遠に生きると思うから、働き続けるだけで終わってしまう。 お金は、将来の不安のために貯めていてもしょうがない。

20代の100万と、60代の100万は違う。 若いときのほうがパーっと使える。やりたいこともできる。 年齢を重ねると、歳のせいにして色々できなくなる。 だから、若いときは稼いだお金をちゃんと「使う」練習をしてほしい。 お金を貯めるのは30代からでもいい。

お金を貯めるのは30代になってからでもいい。頑張ったご褒美は、全部使ってもいいと思ってる。

「会社が休めない」って言う人もたくさんいる。でも意外と休めるもんだ。 休めるような配慮をしていなかったり、そういう人がいると攻撃してしまっていたり、 そういう空気をまず壊さないといけない。 ウチの会社は参加費も全部自腹、有給扱いにもしていない。 でも「やりたい事があるのに仕事でできない」は、流石に可哀想。 社長だからいい、ではなく、全スタッフが「生きる」ことをちゃんと考えてほしい。

普段から周りに配慮して、「ごめん!でも他でカバーするから」と言いながら仕事をしていれば、 別に大した問題にはならない。経営者なら、いつかは誰かに任せる日が来る。 サハラは、その練習にもなる。

A lesson

ロシアに行けなくなった、あの後悔。

以前、ロシアの真冬に波乗りしに行こうとなった。 いきなりロシアはハードだからと、いったん2月の北海道に行った。 そして「来年ロシアに行こう」と計画していたら、まさかの戦争。 結局、行けなくなってしまった。

あの時、先にロシアに行っていれば。そういう後悔はしたくない。 やりたい事を先延ばしにすると、何一つ整わない。やれる時にやるべきなんだ。

サハラも同じ。先延ばししても、何も整わない。お金も時間も仕事も家庭も、 「整ってから行く」人なんて一人もいない。 みんなバタバタのまま、決断して、そして飛行機に乗る。

The Feeling

バスに掲げられる横断幕を見て、多くの人が泣く。

経験者の間でよく語られる話がある。「1回目の感動は1回目しか味わえない。 2回目以降は勝手が分かるから、そんな感動はない」──実際、2回目の参加者は そう覚悟して現地入りする。

それでも、ワルザザードから砂漠へ向かうバス乗り場に並んだ車列、 そこに掲げられるその年の大会の横断幕を見た瞬間、 毎年必ず泣いてしまう参加者がいる。 仲間が集まってくると、また泣ける。

サハラマラソン(サハラ砂漠マラソン)は、単なるレースではない。現地入りするまでに積み上げた 準備・不安・期待の総量が、一気に感情として噴き出す瞬間がある。 スタートラインに立った瞬間、完走した瞬間、そしてその場を去る瞬間も。 こんなにも感情が揺さぶられる機会は、人生に何度もない。

こんなにも感情が揺さぶられる事は、中々味わえない。 — 経験者が口を揃える言葉
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