明日、始まる。
その前日のこと。
キャリーバッグを預けて、荷物チェックを受けて、メディカルチェックをこなす。 全部終わっても昼過ぎ。あとは何もない。 だからこそ、この日も全力で楽しむ。
この日に起きること
「順番に呼びに来るので待っていてください」と言われるが、 実際は適当なタイミングで行ってしまって大丈夫。 全部終わるまで2時間もかからない。
| 順番 | 内容 | 実態 |
|---|---|---|
| ① | キャリーバッグの預け入れ | 砂の上をトラックまで引きずる。砂まみれ必至。 |
| ② | バックパックの装備チェック | チェックシートを出すだけ。中身は見られない。 |
| ③ | 重量チェック | 15kg以内。軽い人は8kg台、初回は14kgになりがち。 |
| ④ | メディカルチェック | 心電図を提出して質問に答えるだけ。英語は適当でOK。 |
| ⑤ | 写真撮影 | これで終わり。トータル2時間ほど。 |
| 午後〜 | 完全に自由時間 | やることはない。ひたすら楽しむ。 |
キャリーバッグの預け入れ——
安いやつで来い。
砂漠の上でキャリーバッグを引きずってトラックまで持っていく。 砂の上でキャリーを引くのは想像以上に重く、砂まみれになる。 そしてトラックに山積みにされる。
2025年はタイヤが破損した。 だから2026年はサハラ用の安いキャリーバッグを新たに購入した。 いいバッグで来るのはおすすめしない。 壊れても惜しくないもので来ること。
▶ キャリーに入れるもの(レース後に必要なもの)
- レース後用の着替え一式
- シャンプー・石鹸・タオル
- 帰りの飛行機用の普段着
- 日本円・クレジットカード
- レース後のお楽しみ(お土産候補など)
これがそのトラック。山積みにされる。いいバッグは持ってくるな。
バックパックのチェックと重量——
軽くするほど、楽になる。
📋 装備チェックの実態
指定された必須装備が入っているかのチェックシートを提出する。 それだけだ。実際にバックパックの中身を全部出して確認される、ということはない。
2回経験して言えることは、いらないものは持たずにレースするということ。 これが良い悪いは別の話だ。バレた場合はペナルティがあるとされているが、 現実的にはそこまで厳密ではない。自己判断で。
⚖️ 重量チェック:15kg以内
バックパックの重量は15kg以内が規定。 軽い人で8kg台。初回参加者は不安で詰め込みすぎて14kgになりがち。
ちなみにサーフボード(持参する板)は2025年が500g、 2026年は350gまで軽量化に成功した。 1回目は14kg、2回目は10kg程度。 経験を重ねるほど荷物は軽くなる。
実際のチェックシート。MANDATORY EQUIPMENTの確認。
実際の重量チェックの様子。スタッフがその場で計測する。
「1回目は14kg。
2回目は10kg。
次はもっと削れる。」
2026年 ゼッケン #167 · YOSHITADA。サーフボードとともに砂漠で。
メディカルチェック——
英語が話せなくても適当に終わる。
心電図を提出して、いくつかの質問に答える。 たいして英語も話せないので、適当に答えて終わる。 最後に写真撮影をして、メディカルチェック完了だ。
1,000人以上の参加者を1日でさばくフランス人スタッフが、 全員の心電図を精密に読み込む時間はない。 「提出した」という確認がメインになる。 これが良い悪いではなく、現実としてそういうものだ。
⚠️ チェックが緩くても、装備は揃えること
蛇毒血清・笛・非常用食料——これらは砂漠で本当に命に関わる。 「チェックをパスするために持つ」ではなく「生きて帰るために持つ」。 それが前提だ。
手続きが終わったら——
とにかく美味いものを食べる。
ここが最大のポイントだ。 この日の昼飯・夜飯、そして次の日の朝飯は軽量化する必要がない。 レース前に全部食べてしまうのだから、思いっきり贅沢していい。
🍑 千疋屋の桃を持っていく
毎年やっていること。千疋屋の桃を持参して、砂漠で一人で「うめ〜」って食べる。 レース中は果物なんて食べられない。 だからこそ、この日のフルーツは格別だ。
フルーツを忘れずに持ってきてほしい。 レースのことだけ考えていると、こういう「楽しむ」ことを忘れてしまう。 でも、楽しむことこそがサハラの醍醐味だ。
🦀 来年はカニ缶を持参する
先日デパートで1万円以上するカニの缶詰を見た。 普段は買えない。でもサハラという特別な場所で、 仲間と食べるなら話は別だ。
来年はカニを持参すると決めた。 世界一過酷なマラソンに挑む前夜に食べる高級缶詰。 それくらいの贅沢は、むしろ必要だと思っている。
▶ この3食は軽量化不要。全力で食べる。
- Day 0の昼飯 → 軽量化不要。美味いものを食べる。
- Day 0の夜飯 → 軽量化不要。美味いものを食べる。
- Stage 1当日の朝飯 → 軽量化不要。食べてからスタートする。
レースだけに集中するな。
楽しむことを忘れるな。
歩く人も走る人も、ここまでは全力で楽しんでいい。 というより、楽しむべきだ。
世界一過酷と言われるマラソンレースに挑戦する。 そういう自分たちだからこそ、できる贅沢がある。 砂漠で千疋屋の桃を食べる。砂漠で高級カニ缶を開ける。 仲間と「なんでこんなとこでこれ食ってんだろ」って笑いながら食べる。
その瞬間が、最高なんだ。
「レースは歩く人も走る人も、
ここまでは楽しんでいい。
なんせ、世界一過酷なやつに
挑もうとしてるんだから。」
── Yoshio