先輩ランナーが、
残してくれた「知恵」。
MDSに挑んだ日本人は、毎年数十人いる。 先に走った人、書籍を残した人、NOTEやブログで知見を共有してくれた人。 このページは、彼らの残してくれた「砂漠の知恵」を、 これから挑むあなたのために、できる限り集めた資料室だ。
1人のリアルより、100人の集合知。
1人の参加者の体験には、どうしても「一人分の限界」がある。 一方で、サハラに関わってきた先輩ランナーたちは 連続完走者・優勝者・完全素人・女性ランナー・60代ランナーと実に多様で、 その集合知こそが最も信頼できる参考資料になる。
このページでは、公開されているNOTE記事・書籍・ブログなどから得られる 共通項と、異なる視点を整理した。全ての情報源は末尾にクレジットと共にまとめている。 かならず一次ソースを読みに行ってほしい。
▶ このページの使い方
1. まず興味のあるテーマ(装備・食・トレ・心構え)を眺める。 2. 気になる視点があったら、末尾の情報源リストから本人の記事を読みに行く。 3. 何人か読み比べると、自分に合う「型」が見えてくる。
先輩たちの「装備の共通項」
複数の完走者が口をそろえて書いている、装備選びのポイント。 メーカー名は人によって違うが、考え方はびっくりするほど一致している。
シューズは1〜1.5cm大きめ
7日間で足はむくみ、指先まで砂が入る。 普段のサイズより1〜1.5cm大きいシューズを選ぶのが鉄則。 HOKA Bondiやアルトラなどクッション系・ワイドトゥボックスを選ぶ人が多い。 ゲイター装着必須。
ソックスは5本指+インジンジ
指と指の摩擦を防げるのは5本指だけ。 Injinjiの5本指を選ぶ人が圧倒的に多い。 薄手+厚手の二枚履き、もしくは防砂ソックス等、複数の流派がある。
ザックは WAA / RaidLight / OMM
サハラランナーが指名買いする三大ブランド。 容量は20L前後が主流。 フロントポケットに行動食・ボトル、背面に寝袋と食料を収納する構成。
寝袋は300g以下の超軽量
砂漠の夜は冷えるが、重量との戦い。 コンパクトで軽い高品質のダウンシュラフを選ぶ人が多い。 マット(エアもしくはフォーム)もセットで。
トレッキングポールの活用
砂丘(エルグ)と岩場(レグ)の区間で、脚の疲労を大きく軽減。 折りたたみ式カーボンが定番。 使わない派もいるが、ロングステージで後悔する人が多い印象。
帽子+首サハリアン
キャップに後頭部カバー布(サハリアン)が付いているタイプが王道。 首と耳の日焼けが完走率を左右する。 バフ(BUFF)1枚でも代用できるが、常用前提で。
▶ 義務装備は毎年変わる
先輩の記事はその年の装備を前提にしている。 コンパス・ホイッスル・鏡・塩タブレット等の義務装備は毎年改訂される。 必ず MDS公式サイトで最新リストを確認すること。
食の「共通解」
公式ルールは「1日2,000kcal以上 × 7日間=14,000kcal以上」。 荷物総量は6.5〜15kgの範囲内。先輩ランナーのほぼ全員が、 スタート時点で10kg前後にパッキングしている。
| 食材カテゴリ | 先輩達の定番 | ポイント |
|---|---|---|
| 主食(温) | アルファ米(尾西・マジックライス) | 5日目以降の「白米 + 味噌汁」は、ほぼ全員が最高の夜と書いている。 |
| 主食(行動中) | カップヌードル(軽量化)/ジップ入れ替え | 夜のお湯が余った時のボーナスご飯として使う人が多い。 |
| タンパク質 | ビーフジャーキー/プロテインバー/サラミ | アミノ酸サプリと組み合わせる人も多い。 |
| 糖質(行動) | ジェル/羊羹/ドライフルーツ/マース | 暑さで甘い物が受け付けなくなる→塩分系も混ぜておく。 |
| 温かいご褒美 | モーリヤン(自衛隊採用レーション)/味噌汁 | 「日本に生まれてよかった」と毎晩思う瞬間。必ず持て。 |
| ミネラル | 梅干し/塩昆布/塩タブレット(S-CAP 等) | ナトリウム不足は脱水より危険。味噌汁はこれも兼ねる。 |
▶ 書籍からの金言 — 牟田口玲奈さん(10大会連続完走)
著書『サハラ砂漠に通う』(Amazon掲載)で有名な牟田口玲奈さんは、 10大会連続完走という驚異的な記録を持つ日本人ランナー。 食については「美味いと思えるものだけを持て」という主旨の記述があり、 多くの先輩ランナーが引用している。栄養より「食べきれる味」が重要、という教訓。
トレーニングの「相場観」
週60〜100km
完走者の多くが本番3〜6か月前には週60〜100kmの走行距離に到達。 「量より連続性」が口を揃えるポイント。毎日でも歩く。
ザック10kgで長距離
出発2〜3か月前からザック8〜10kg担いでの長距離練習を開始。 本番と同じ重さ・同じ靴・同じソックスで30km以上を体験しておくと、 当日の「あれ?」が減る。
連日トレ(バックトゥバック)
土日で20km+30kmのような連日走を入れておく。 7日間連続で動ける脚は、単日ロング走では作れない。
暑熱順化(夏の本気)
日本の真夏の日中走、サウナ、暑熱順化プロトコル(熱い風呂に入る)など、 暑さに慣らす練習を2〜4週間は入れる。
体幹と下腿強化
砂に足をとられる砂丘で効くのは、大臀筋・ハムストリング・下腿。 ランジ、片足スクワット、カーフレイズなどを週2で。
メンタルトレ=「やめない」予行
「雨が降った・風邪気味・二日酔い」でも、短くていいから走る。 本番で心折れそうになった時の「やめない癖」は、平時のこの小さな積み重ねで作られる。
先輩たちの、
サハラからの言葉。
複数のNOTEや書籍から抽出した、心に残るフレーズ。 文脈が気になった人は、末尾の情報源リストから元記事を読みに行ってほしい。
折れなかったという事だ。
「持っていく物」ではなく
「捨てる物」を決める作業だ。
他人の優しさが
自分の想像の2倍、沁みる。
半分は完走したようなもの。
分野横断で「効いた」アドバイス
どのテーマにも属さないが、複数の先輩が強調している横串の学びをまとめた。
- 靴下・足裏ケアこそ最優先投資。靴よりソックス・足テーピング・ワセリン・爪切りが勝負を分ける。
- 寝る前の準備が翌日のスピードを決める。翌朝すぐ出発できるよう、夜のうちにザックを8割パックしておく。
- ロングステージでは仮眠を先に入れた方が速い。無理して走り続けるより、2時間座って食べて仮眠する方が結果的に早くゴールする。
- 砂嵐は「耐える」が正解、走って追いつけない。バフと砂ゴーグルを常時携帯。
- CPごとに靴を脱いで砂を出す。面倒でもやる人が完走率が高い。
- メンタルは「楽しむ」に振り切った人が強い。辛さを我慢するより、景色と仲間を味わう方向に心を使う。
- 帰国後の反動に備える。喪失感・燃え尽き症候群は多くの先輩が書いている。次の目標を事前に決めておく。
見ておくべきYouTube動画
「雰囲気を掴む」「義務装備のイメージを掴む」「日本人の挑戦記録を見る」 — 目的ごとに見るべきチャンネルを整理した。 リンクはYouTube公開動画へ。
▶ 連続シリーズ:出場前から帰国後まで(富士企画・Yoshio)
不動産投資家・Yoshioが、サハラマラソン(サハラ砂漠マラソン)に挑戦する過程をドキュメント形式で配信している人気シリーズ。 「出場決意」→「直前の不安」→「出発」→「完走後の反省と改善」と、 挑戦者の心理変化が時系列で追える。日本語で一番詳しい参加者ドキュメント。
▶ その他の重要チャンネル
▶ 見方のコツ
動画は1.25倍速で観ると、情報密度がちょうど良くなる。 気になった装備はスクショして「これ、なんだろう?」と検索。 そこから先輩のNOTE記事に辿り着ける事が多い。
Facebookで繋がる、日本人サハラコミュニティ
実は、一次情報はFacebookに一番溜まっている。 NOTEは「完成された記録」、Facebookは「リアルタイムの独り言」。 誰が来年出るか、誰が何を持って行くか、誰がリタイアしてどう立ち直ったか — 生の空気はこっちで読める。
▶ サンドネ(Sandonnée)〜砂漠マラソンを楽しむ〜 ※ 2025年で運営終了
facebook.com/sandonnee ボランティアが運営してきた、日本人向けMDSコミュニティページ。 大会前の準備情報、大会中の現地レポート、大会後の報告会までが集約されていた。 公式な運営は2025年をもって終了しているが、過去投稿は参考資料としてまだ閲覧可能。 今後の日本人参加者同士のつながりは、各ランナー個別のFacebook/SNSや、本サイト経由の紹介が中心になる。
▶ 尾藤朋美さん(日本人女性トップ)
2021年女子総合準優勝、2023年女子総合3位。 日本人女性で最もサハラに速いランナー。 FacebookとYouTube(TOMOMI CHALLENGER)で 発信。速いランナーの装備・補給戦略を知るなら必読。
▶ 2023年第37回 日本人参加者体験記集
世界冒険者・体験記集 81歳〜21歳まで31名(うち完走23名)。 Facebookの個別投稿を含む多様な視点がまとまった宝の山。
▶ Facebookの読み方 — 非公開投稿・本人への敬意
Facebookは「知り合い/友達限定公開」の投稿が多い。 友達申請する前に、公開投稿を丁寧に読み、いいね・コメントで関係を作ってから つながりに行くのが礼儀。大先輩ほど「本気の挑戦者」には寛容だ。 コミュニティはあなたの2027年の伴走者になる。
先輩が紹介している、実際の製品
複数の先輩ランナーがNOTE・YouTube・Facebookで名指ししている定番製品のリンク集。 最新価格は各サイトで確認してください。詳細は 装備ページ・食事ページも参照。
走る・担ぐ
食べる・補給する
読む(書籍)
情報源(先輩ランナーへの感謝を込めて)
下記はMDS挑戦者が参考にしてきた、公開情報のリスト。 先輩ランナーの書き残しがなければ、誰も1回目のスタートラインに立てなかった。 必ず本人の記事を読みに行ってほしい。リンクを踏むのが、最大の感謝だ。
- MDS公式サイト:marathondessables.com — エントリー・義務装備・ルールの一次情報。
- 牟田口玲奈『サハラ砂漠に通う』(書籍):10大会連続完走の日本人先輩。Amazon等で入手可。
- 田中渓さん(note):「乾燥の感想(サハラ砂漠257kmマラソン)」等、装備・戦略系で読み応えあり。
- にのみやともひろさん(note):レースレポをステージごとに詳しく書かれている。
- Renaさん(note):「サハラマラソンでの食事」等、女性ランナー視点の補給論。
- サハラサバカ(saharasabaka.com):2025体験記+2026準備ガイドとしてテーマ別に整理されている。
- 仲野孝明さん(takaakinakano.com):姿勢・コンディショニング視点のコラム。
- 国境なきランナーズ(runners-wb.org):日本人参加者のコミュニティ記事多数。
- 世界冒険者(2023年第37回体験記集):複数ランナーの記録をまとめた貴重な資料。
- ランナーズコア(装備リスト記事):義務装備と実装備のギャップ解説。
- RUNNET・Wikipedia「マラソン・デ・サブル」:基礎情報のスタート地点として便利。
- YouTube:MDS公式(@MarathonDesSables / MDS Legendary):ダイジェスト、義務装備解説、ライブ中継。
- YouTube:Average Rob『The Toughest Footrace on Earth』:2025年兄弟挑戦の長編ドキュメンタリー(1.2M再生超)。
- YouTube:TOMOMI CHALLENGER(尾藤朋美):女子総合3位の日本人トップランナー。
- Facebook:サンドネ(Sandonnée):日本人MDSボランティア運営の公式コミュニティ。※ 2025年で運営終了(過去投稿はアーカイブとして参照可)。
- Facebook:日本人参加者個人投稿:多数の挑戦者がレース前後にリアルタイムで発信。「サハラマラソン」で検索すると参加者の投稿が見つかる。
- YouTube:富士企画・Yoshioのサハラマラソンシリーズ:出場前・直前・出発・帰国後まで全部ドキュメント化された5本連続動画。
- Number Web:「ついにサハラ砂漠252kmを完走」:文藝春秋の長編インタビュー記事。
- 集英社オンライン:「元反社ランナー250km走破」:極端だが熱のある挑戦記事。
- Yahoo!ニュース(鍋田ゆかり / 鋸南町編):町ぐるみで挑戦者を応援するストーリー。
- triumph.jp:2024年4月挑戦直前レポート:チームを送り出したコミュニティ記事。
▶ 引用と尊重について
このページは複数の先輩ランナーの公開情報から抽出した「共通項」を要約した資料ノートです。 具体的な数字・個別エピソードを引用したい場合は、必ず各先輩の元記事を直接参照し、 著作権・引用ルールに従ってください。 もし掲載に問題のあるクレジットや表現があれば、ぜひ連絡をください。速やかに修正します。
知恵を、「走る」に変えよう。
ここに書かれているのは、いわば地図。 地図を読むだけでは砂漠は越えられない。 装備を買い、走り込み、食料を試食し、仲間を作る。 100人の先輩の知恵を、あなた自身の1歩に変えよう。